日本ブリーフサイコセラピー学会 第20回長崎大会 2010 8/26~28

海外特別講師による講演

海外特別講師による講演
「ブリーフとナラティヴのさらなる対話に向けて」

講演者 スティーヴン・マディガン博士
1.実践編 8月27日(金) 13:40-18:00
2.理論編 8月28日(土) 13:30-14:45
3.ダイアローグセッション 8月28日(土) 15:00-17:00 
海外特別講師による講演
[ 講演タイトル ]
ブリーフとナラティヴのさらなる対話に向けて

[ 講演者 ]
スティーヴン・マディガン博士
 [大会へのメッセージ]
 この度、日本ブリーフサイコセラピー学会第20回長崎大会にお招きいただき感謝いたします。私がナラティヴセラピーすなわち個人主義的な見方に対抗する実践を通じて目指してきたものを皆さま方が経験してくださることを心から願っています。私のセラピーはポスト構造主義にもとづいたものです。すなわち、人々のあり方を心理学的な自己概念に限定するような考えかたに対抗して、多様な場や多様なストーリーとしての主体性をそこに生み出していこうとするものです。このような私のセラピーの実践を知っていただくために、最近作成したDVDを見ていただこうと考えています。そして、皆様方との実りある会話をもてることをとても楽しみにしています。
 最後になりますが、昨年の4月突然この世を去った我が師そして最大の友人であるマイケル・ホワイトが遺した偉大なる精神についても今回の大会でわかち合うことができればまことに幸いです。
                         2010年1月
                         スティーヴン・マディガン
[ マディガン博士の略歴と業績 ]
 マディガン博士はカナダ生まれの医療ソーシャルワーカーである。彼は、20年前に、オーストラリアおよびニュージーランドに渡り、ホワイトとエプストンからナラティヴセラピーを直接学んだ最初の弟子の一人である。その後、北米圏でナラティヴセラピー実践の拠点を作るようにという彼らからの強い勧めにより、1992年、カナダのバンクーバーに「バンクーバー・ナラティヴセラピー・スクール」を開設した。
 その後、ここを拠点にさらなる活動をすすめ、とくに摂食障害に対する臨床実践と理論的研究はきわめて価値が高い。今日ではカップル・夫婦療法のみならずより広範な領域でのナラティヴセラピーの実践を展開し、国内外で多くのワークショップを行っている。また、“治療的会話”と称する研修会を毎年主催している(今年の研修会については下記のURLを参照していただきたい)。論文は多数に及んでいるが、今回の大会で披露してくれるというDVDは、この3月に発刊予定の彼の最初の著作にあわせてつくられたものである。その意味で、もっともホットなナラティヴセラピーの実践を直接経験できる最良の機会となった。
 このように、マディガン博士は、ナラティヴセラピーにおける“第2世代”の先頭者といってよいだろう。なお、今回の本大会への招待については、エプストンから本大会実行委員会宛てに強い推薦があったことを付記しておく。
                                   文責:児島 達美
www.therapeuticconversations.com

*学会特別研修会のお知らせ
スティーヴン・マディガン博士には、京都でも別途1day ワークショップを行って頂くこととなっています。
 日程:2010年8月31日(火) 10:00〜17:00 [9:30より受付を行います]
 場所:龍谷大学大宮学舎 清和館3階
 詳細は、こちらを御覧ください。
日本ブリーフサイコセラピー学会